2009年7月8日水曜日

2冊の本

今日は、2冊の本を読んだ。
1冊は、P・F・ドラッカーの「マネジメント」エッセンシャル版 ダイヤモンド社である。
この本は、分冊販売されている「マネジメント」のエッセンスを抜き出したものであるが、よく、必要な部分についてまとまっている。
この「マネジメント」という考え方は、なにも民間企業に限ったことでないとドラッカーは言う。公共機関、病院、そして非営利組織(こちらについては、「非営利組織の経営」ダイヤモンド社という本もある)など、あらゆる分野で効果を発する。

「基本と原則に反するものは、例外なく破綻する。」
この言葉どおり、マネジメントには、基本と原則が存在した。

本文中、三菱の創始者である岩崎氏にも触れている。日本贔屓であったドラッカーのおかげで、日本人読者にも読みやすい内容になっている。
また、マーフィーの原則に対抗して、ドラッカーの原則なるものを紹介しているところは、すこし微笑んでしまった。

いずれにせよ、名著であり、私にとって、一生手放せない本であることは、間違いない。

もう1冊の本は、「本当のお金持ちが知っているスピリチュアルな知恵」アーネスト・D・チュー著、ランダムハウス講談社である。
この著者は、投資銀行の取締役なので、投資の本かと思い、購入した。しかし、これは、タイトルのとおり、スピリチュアルな面からお金を捉えている面白い本だ。

一気に読み、その後、3回読み直した。テリー・シンタニ医師はいう。「豊かな心と健全な貯蓄プランについて述べたら、彼の右に出る者はいないだろう。彼は、伝説的な儒学者の子孫であるが、10億ドル単位の金を動かす投資銀行家という現代的な一面ももっている・・・(略)」

なるほど、この考えの根底には、中国の儒学の影響があるのかもしれないと感じた。彼は、著書の中で最近、世に出たポール・ポッツやROOM TO READのことなどにも触れている。

そして、彼の考えは、本文の一番最後にある「祈りの言葉」に凝縮されているように思えた。おそらく、彼は、この言葉を毎日、唱えていることだろう。マーフィーや中村天風などに匹敵するぐらい、力づ良い言葉だ。

この本は、不思議と、5月の爽やかな風をイメージしながら読み終えた。
そう感じるのは、私だけだろうか。

2009年7月7日火曜日

ワークショップ

今日は、「参加するまちづくり」伊藤雅春著 OM出版を読んだ。
この本は、ワークショップ手法について、色々と記載がある。
これからの時代、ワークショップ手法は、欠かせないものとなろう。これは、単なる「住民意見を聴く」という、行政の勝手な解釈だけではないと考える。
やはり、かつてイギリスの政治学者ブライスが述べたとおり、「地方自治は民主主義の学校である」という観点から、ワークショップは、まさに住民にとって、「学校」となるのだろう。
この本の中で面白いと感じたのは、「デザイン・ランゲージ」という考え方である。
施設の設計プロセスにおいて、はじめに「図面ありき」でなく、自由にイメージを語らせ、物語のように表現していく手法は、まさに、「本当に居心地の良い」施設づくりになろう。

デザイン・ゲームの提唱者ヘンリー・サノフはいう。「ワークショップは、キスと同じ」
つまり、ワークショップは、いくら考えても体験してみなければわからない。そして、一度してみると、もっと、もっとしてみたくなる。

地方分権社会へ近づくため。
この住民の意見は、今後、大いなる行政財産となることだろう。

2009年7月6日月曜日

ドラッカーは言う。

先日も、ピータードラッカーの本を読んで感想を記した。
そのドラッカーが「ポスト資本主義」に、次のように記している。

ばらまき国家は、自由社会の基盤を侵食する。国民の代表者たる者が、票を買うために、特定の利益集団を豊かにし、国民を丸裸にする。これは市民のコンセプトに否定である。

ドラッカーという人は、企業のマネジメントのみならず、政府、病院、NPOなどにも詳しい。
この人の書を読めば読むほど、我が国が抱えている様々な問題点が、過去に指摘されていることがわかる。

マネジメントとは何か、貢献とは何か、そして社会の構造変化とは何か。今一度、ドラッカーの文献を読見直し、再認識する時代に来ている。