2009年1月13日火曜日

プロフェッショナルとは

(事実)
本日は、残業だった。帰宅直後、何気なくNHK「プロフェッショナル・仕事の流儀」をみた。
今回は、旧名田庄村の診療所医師、中村先生だった。名田庄には、昔、知り合いがいて、懐かしくテレビに見入った。
彼は、地域医療のプロフェッショナルといえるだろう。
(気づき)
彼は、自治医大卒業後、名田庄に赴任した。ところが、彼は、ある患者さんがクモ膜下出血になったのを見逃してしまう。クモ膜下出血は、頭が痛くなるのが普通だそうだが、その患者は肩が痛かったらしい。このケースでは、気付かないのも無理がない。彼は、総合病院からの帰り道、その患者家族に「誰にでもある、お互い様だ」という言葉に救われ、地域医療に残る決断をしたという。

この信頼関係は、一朝一夕でできるものではない。医師と患者の関係は、ともすれば、単なる人間的な関係がなく、終わってしまうものだ。そこに、血は通っていない。あるのは、患者を義務的に見る医師と他に頼るものがなくて、仕方なく診てもらう患者だけだ。

地域医療の大切さは、やはり、「血が通う」ことであろう。旧名田庄の中村先生は、介護、保健、そして医療を結び付けようと考えて、実際に行動している。その結果、デイサービスで起きたケースが、医療で役立つこともあるという。

(教訓)
「自分一人しかいなくて、頼られるからここにいる」といった、中村医師。それは、プレッシャーではなく、喜びである。たくさんの患者さんの顔やその家族の顔も放映されたが、彼を見るまなざしは、単なる「知りあい」としてみるものではない。彼と患者の関係は、家族以上の繋がりを感じた。

また、彼は、「これから恩返しをする番だ」と語った。彼は、「奉仕」という言葉の意味を知り、実践し、そしてその先にある「喜び」に至っているのだと感じた。

(宣言)
医療崩壊が叫ばれて久しい。それは、国、地域、医師、患者などがそれぞれの立場で真剣に考えていかなければならない問題だ。

 「病ではなく、人を診る」、「その人らしい生き方を支える」、が彼のポリシーだ。このポリシーが、もしかしたら、医師側からの視点による医療崩壊を食い止める一助になるのかもしれない。 それは、本来の「患者本位」の医療実践をすれば、患者や国・地域が同調して動くと考えるからだ。

また、番組最後の定番クエスチョン、つまり「あなたにとってプロフェッショナルとは」との問いに、彼は、例え事態が悪くても、それを受け入れる。ひいては、それをプラス思考のレベルまでもっていくという主旨の回答をした。

現在自分のおかれている環境や立場から、何が人に与えられ、奉仕できるのか。その結果、どのような素晴らしい結果が待っているのかを教えてくれた。その素晴らしい結果とは、村民の平和で安心した笑顔であったように思う。人のために役に立つこと。これ以上の喜びは、人間にとってないのではないだろうか。

とにかく、総合病院で外科医に進むという道を捨て、地域に残った中村医師にエールを送りたい。

今後の中村医師のさらなる、ご活躍をご祈念申し上げます。